平成１２年１２月２９日

1. 　本日、金融再生委員会は、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律（金融再生法）第８条に基づき、朝銀近畿信用組合、朝銀千葉信用組合、朝銀東京信用組合、朝銀新潟信用組合、朝銀長野信用組合、朝銀福井信用組合、及び朝銀愛知信用組合に対し、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行った。
   　
2. 　朝銀近畿については、近畿財務局による検査（12年３月末基準）の結果、債務超過と見込まれ、当該検査の結果を踏まえた本年９月末時点の財務状況について同財務局により報告徴求が行われていたところである。
   　このような中で、本日、同組合より、金融再生法第68条第１項に基づき、「その業務又は財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがある」旨の申出があり、当委員会としては、同組合からの申出及び同組合の財務状況を踏まえ、管理を命ずる処分を行うこととしたものである。
   　
3. 　朝銀近畿以外の上記６朝銀に関しては、昨年５月に当該６朝銀を含む13朝銀が破綻公表したが、同時に４朝銀が受皿となる構想が出され、朝銀千葉、朝銀東京、朝銀新潟及び朝銀長野は朝銀関東に、朝銀福井及び朝銀愛知は朝銀中部にそれぞれ事業譲渡を行うことを予定し、預金保険法に基づく適格性の認定の申請が行われていた。
   　これら６朝銀の事業譲渡について、適格性の認定に係る審査を行ってきた結果、これら６朝銀の破綻に至るまでの間の業務運営の状況、及び、このまま破綻処理を進めた場合に業務運営や責任追及等について十分な対応が図られるかといった懸念もあること等を総合的に勘案し、今般当委員会において金融整理管財人による管理を命ずる処分を行い、業務運営や責任追及等に万全を期するとともに、破綻処理の透明性を高めることが必要と判断したものである。
   　この結果、去る12月16日に金融整理管財人による管理を命ずる処分を行った７朝銀と併せ、既に破綻公表していた13朝銀それぞれについて金融整理管財人による管理が行われることとなった。
   　
4. 　今般の処分に伴い当委員会は、金融再生法第11条に基づき、別紙の通り朝銀近畿及び上記６朝銀（被管理７朝銀）の金融整理管財人を選任し、併せてこれら金融整理管財人に対し同法第14条に基づき被管理７朝銀に係る業務及び財産の管理に関する計画の作成を命じたところである。
   　
5. 　今般の措置により、被管理７朝銀の代表権、業務の執行並びに財産の管理・処分権は金融整理管財人に専属することとなり、各組合は金融整理管財人の下で、今後上記の業務及び財産の管理に関する計画に従った適切な業務運営に取り組むこととなる。
   　また、資産劣化防止の観点から、金融庁長官より朝銀近畿に対し、協同組合による金融事業に関する法律第６条第１項において準用する銀行法第26条に基づく業務改善命令を発したところであり、同組合においては、この命令を踏まえ、適切な業務運営を行っていくことが求められる。なお、既に当該命令が発出されている上記６朝銀についても適切な業務運営が図られていくものと考えている。
   　
6. 　金融整理管財人による管理が終了するまでの間は、全国信用協同組合連合会より被管理７朝銀の預金払戻し等業務の継続に必要な資金が供給されることとなり、このうち、朝銀近畿については、日本銀行により全国信用協同組合連合会を経由して朝銀近畿の預金払戻し等業務の継続に必要な資金が供給されることとなっている。
   　さらに、被管理７朝銀が受皿金融機関等へ営業譲渡等を行う際には、預金保険機構が資金援助を行うこととなっている。
   　
7. 　このような枠組みの下で、被管理７朝銀の預金等の負債は全額保護され、期日通り支障なく支払われる。また、融資面については、今回も各金融整理管財人に対し善意かつ健全な借手への融資についてきめ細かな対応を図るよう要請したほか、金融庁・各財務局からは関係機関に対し信用供与の円滑化のための万全の対応を行うよう要請を行うので、利用者におかれては心配されることなく、冷静な対応をお願いしたい。

（別紙）

朝銀近畿信用組合の概要
　

朝銀千葉信用組合の概要
　

．沿　革

昭和35年12月	設立
平成11年５月	破綻公表

朝銀東京信用組合の概要

朝銀新潟信用組合の概要
　

朝銀長野信用組合の概要
　

朝銀福井信用組合の概要
　

朝銀愛知信用組合の概要
　

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