VII.結 び
我が国金融をとりまく環境に鑑みれば、今般の金融システム改革は、高齢化が急速に
進む21世紀に向けて豊かで創造的な経済社会を構築するため、直ちに実行に移されなけ
ればならない課題であると考えられる。
このため、本答申においては、改革に必要な広範な事項について極力その実施時期を
明示して提言を行っているところであり、こうした趣旨に鑑み、本答申に盛り込まれた
種々の提言については、関係審議会による提言と併せ、政府において早急に実施される
ことが望まれる。
序においてもふれたように、金融機関による様々な不祥事の発生は極めて遺憾であり、
金融機関経営のあり方を改めて問い直さなければならない。今後、金融システム改革に
おいて一層の自由化が進んでいく中で、こうした不祥事の再発を防止するためには、各
金融機関自らに課せられた社会的責任と公共的使命を強く自覚し、企業としての倫理を
徹底することが不可欠であり、金融機関の経営の基本ともいうべき経営姿勢や経営管理
を一から見直し、一刻も早い信頼回復に全力を挙げて取り組むことをここに再度要望し
て、本答申の結びとしたい。
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