平成22年2月2日
証券取引等監視委員会
株式会社タウンニュース社社員による相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について
- 1.勧告の内容 - 証券取引等監視委員会は、株式会社タウンニュース社社員による相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。 
- 2.法令違反の事実関係 - 課徴金納付命令対象者は、株式会社タウンニュース社の社員であったが、同社の株券につき、その株価の高値形成を図り、同株券の売買を誘引する目的をもって、平成20年11月6日から同月14日までの間、7取引日にわたり、直前約定値より高値で買い注文と売り注文を同時期に発注して対当させ株価を引き上げる方法や、新値を形成しながら買い上がり買付けを行うなどの方法により、同株券合計9,100株を買い付ける一方、同株券合計7,800株を売り付け、同株券の株価を172円から260円まで高騰させるなどし、同株券の相場を変動させるべき一連の売買をしたものである。 - 同人が行った上記の行為は、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第174条第1項に規定する「自己の計算において第159条第2項第1号の規定に違反する取引所金融商品市場における上場金融商品等の相場を変動させるべき一連の有価証券売買等」の違反行為に該当すると認められる。 
- 3.課徴金の額の計算 - 上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、25万円である。 - 計算方法の詳細については、別紙のとおり。 
(別紙)
○ 課徴金の額の計算方法について
- 1.旧金融商品取引法第174条第1項に基づき、課徴金の額は、 - (1) 売買対当数量(注1)に係るものについて、 - (有価証券の売付け等の価額)-(有価証券の買付け等の価額) 
 - と、 - (2) 当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量が売付け等の数量を超える場合には、買付け等対当数量(注2)に係るものについて、 - (当該違反行為が終了した日から1月以内に行われた有価証券の売付け等の価額)-(有価証券の買付け等の価額) 
 - との合計額として計算される。 - (注1) 売買対当数量:当該違反行為に係る有価証券の売付け等の数量と買付け等の数量のうち、いずれか少ない数量をいう。 
- (注2)買付け等対当数量:当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量が売付け等の数量を超える場合における当該超える数量と、当該違反行為が終了した日から1月以内に行われた当該違反行為に係る売付け等の数量のうち、いずれか少ない数量をいう。 
 
- 2.本件における課徴金の額は、下記(1)及び(2)によりそれぞれ算定される額の合計 258,800円。 - ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、25万円 - (1) 当該違反行為に係る売買対当数量は、  当該違反行為に係る有価証券の売付け等の数量は8,000株であり、 当該違反行為に係る有価証券の売付け等の数量は8,000株であり、
 当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量は、実際の買付数量9,100株に、同条第9項により、違反行為開始時にその時の価格(180円)で買付け等をしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量2,000株を加えた11,100株である 当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量は、実際の買付数量9,100株に、同条第9項により、違反行為開始時にその時の価格(180円)で買付け等をしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量2,000株を加えた11,100株である
 - ことから、8,000株となる。 - 当該売買対当数量に係るものについて、 - 売付け等の価額1,907,000円(注3)-買付け等の価額1,692,300円(注4、5)=214,700円 
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       (注3)売付け等の価額は、 ┌ 
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 └185円×100株 190円×100株 ┐ 
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 ┘の合計額である。 191円×100株 194円×200株 197円×300株 198円×100株 199円×100株 210円×100株 215円×100株 216円×100株 220円×300株 224円×200株 229円×100株 230円×100株 235円×100株 236円×1,200株 238円×200株 239円×500株 244円×300株 245円×100株 250円×500株 251円×100株 253円×400株 254円×300株 255円×100株 257円×900株 258円×500株 259円×800株 
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       (注4)買付け等の価額は、 ┌ 
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 └180円×2,200株 185円×100株 ┐ 
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 ┘の合計額である。 190円×100株 191円×200株 194円×100株 195円×100株 197円×100株 198円×100株 199円×100株 200円×300株 204円×100株 205円×200株 210円×100株 215円×100株 216円×100株 218円×100株 220円×500株 223円×100株 224円×300株 225円×100株 229円×200株 230円×100株 235円×100株 236円×600株 237円×100株 238円×100株 239円×500株 240円×300株 244円×400株 245円×500株 
- (注5)買付け等の価額の算定においては、金融商品取引法施行令(平成20年政令第369号による改正前のもの。以下同じ。)第33条の14第5項の規定により、当該違反行為に係る有価証券の買付け等のうち最も早い時期に行われたものから順次当該売買対当数量に達するまで割り当てることとなる。 - 本件においては、違反行為の開始時点において所有しており、旧金融商品取引法第174条第9項の規定により、違反行為の開始時点にその時における価格(180円)で買い付けたものとみなされるもの(みなし買付け)から、順次割り当てている。 
 
-  (2) 上記(1)のとおり、当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量が、売付け等の数量を超えることから、当該違反行為に係る買付け等対当数量は、 買付け等の数量が売付け等の数量を超える数量3,100株 (11,100株-8,000株) と、 当該違反行為が終了した日から1月以内に行われた売付け等の数量28,800株 とを比較して少ない数量である、3,100株となる。 当該買付け等対当数量に係るものについて、 違反行為終了日から1月以内の売付け等の価額818,100円(注6、7)-買付け等の価額774,000円(注8)=44,100円 -  
       (注6)売付け等の価額は、 ┌ 
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 └255円×100株 257円×700株 ┐ 
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 ┘の合計額である。 259円×1,200株 270円×100株 274円×200株 275円×700株 276円×100株 - (注7)売付け等の価額の算定においては、金融商品取引法施行令第33条の14第7項の規定により、違反行為が終了した日から1月以内に行われた有価証券の売付け等のうち最も早い時期に行われたものから順次当該買付け等対当数量に達するまで割り当てることとなる。 
 (注8)買付け等の価額は、 ┌ 
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 └230円×100株 235円×100株 
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 ┘の合計額である。 239円×100株 240円×100株 245円×600株 250円×600株 251円×100株 253円×100株 254円×200株 255円×800株 257円×200株 260円×100株 
 
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課徴金算定概念図
 
 
 

