平成24年1月24日
証券取引等監視委員会
株式会社京王ズホールディングスに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
-  1.勧告の内容 証券取引等監視委員会は、株式会社京王ズホールディングスに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。 
-  2.法令違反の事実関係 - (1) 株式会社京王ズホールディングスは、東北財務局長に対し、貸倒引当金繰入額の不計上等により、別添のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項並びに金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。 - [虚偽記載の概要] - (単位:百万円) - 【平成18年10月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 5,315 - 5,315 - 連結経常損益 - ▲1,117 - ▲988 - 連結当期純損益 - ▲2,288 - ▲2,386 - 連結純資産額 - 968 - 911 - 【平成19年10月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 15,694 - 15,525 - 連結経常損益 - 89 - ▲191 - 連結当期純損益 - ▲874 - ▲1,097 - 連結純資産額 - 760 - 468 - 【平成20年10月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 12,618 - 12,704 - 連結経常損益 - 102 - ▲20 - 連結当期純損益 - 80 - 11 - 連結純資産額 - 1,207 - 824 - 【平成21年1月第1四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 2,928 - 2,928 - 連結経常損益 - 67 - 56 - 連結四半期純損益 - 48 - 37 - 連結純資産額 - 1,263 - 869 - 【平成21年4月第2四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 6,379 - 6,379 - 連結経常損益 - 206 - 170 - 連結四半期純損益 - 145 - 107 - 連結純資産額 - 1,379 - 961 - 【平成21年7月第3四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 9,179 - 9,179 - 連結経常損益 - 330 - 333 - 連結四半期純損益 - 266 - 302 - 連結純資産額 - 1,551 - 1,204 - 【平成22年1月第1四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 2,774 - 2,774 - 連結経常損益 - 117 - 52 - 連結四半期純損益 - 111 - 47 - 連結純資産額 - 1,818 - 1,557 - 【平成22年7月第3四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 8,625 - 8,625 - 連結経常損益 - 317 - 261 - 連結四半期純損益 - 334 - 264 - 連結純資産額 - 2,031 - 1,773 - 【平成22年10月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 11,540 - 11,517 - 連結経常損益 - 401 - 315 - 連結当期純損益 - 507 - 416 - 連結純資産額 - 2,114 - 1,928 - 【平成23年4月第2四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 6,423 - 6,423 - 連結経常損益 - 175 - 114 - 連結四半期純損益 - 346 - 281 - 連結純資産額 - 2,428 - 2,180 
- (2) 株式会社京王ズホールディングスは、東北財務局長に対し、 -  (i) 平成19年3月13日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成18年10月期有価証券報告書(別添番号欄1参照)を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年3月29日、160個の新株予約権証券を9,600,000円で取得させ、 (ii) 平成20年1月10日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成18年10月期有価証券報告書(別添番号欄1参照)を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年1月25日、6,500株の株券を195,195,000円で取得させ、 (iii) 平成20年4月15日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成19年10月期有価証券報告書(別添番号欄2参照)を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年4月30日、6,000株の株券を120,000,000円で取得させた。 
 - 同社が行った上記の行為は、旧金融商品取引法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。 
-  
- (3) 株式会社京王ズホールディングスは、東北財務局長に対し、平成21年10月20日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成20年10月期有価証券報告書(別添番号欄3参照)及び平成21年7月第3四半期四半期報告書(別添番号欄6参照)を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年11月4日、20個の新株予約権を360,960,000円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させた。 - 同社が行った上記の行為は、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。 
 
-  3.課徴金の額の計算 上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、4,373万円である。 -  (1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成18年10月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、 -  (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(86,042円) 
 が -  (ii) 3,000,000円 
 を超えないことから、3,000,000円となる。 
-  
-  (2) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成19年10月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(44,550円) 
 が - (ii) 3,000,000円 
 を超えないことから、3,000,000円となる。 
-  (3) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成20年10月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(27,568円) 
 が - (ii) 3,000,000円 
 を超えないことから、3,000,000円となる。 
-  (4) 旧金融商品取引法第172条の2第2項の規定により、平成21年1月第1四半期四半期報告書、平成21年4月第2四半期四半期報告書及び平成21年7月第3四半期四半期報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(26,449円) 
 が - (ii) 3,000,000円 
 を超えないことから、 平成21年1月第1四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円 平成21年4月第2四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円 平成21年7月第3四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円 となる。 ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。 平成21年1月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は 1,000,000円 平成21年4月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は 1,000,000円 平成21年7月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は 1,000,000円 
-  (5) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成22年1月第1四半期四半期報告書、平成22年7月第3四半期四半期報告書及び平成22年10月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 -  (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額 (平成22年1月第1四半期四半期報告書96,994円 平成22年7月第3四半期四半期報告書102,877円 平成22年10月期有価証券報告書98,447円) 
 が - (ii) 6,000,000円 
 を超えないことから、 平成22年1月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円 平成22年7月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円 平成22年10月期有価証券報告書については、6,000,000円 となる。 ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した額が課徴金の額となる。 平成22年1月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は 1,500,000円 平成22年7月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は 1,500,000円 平成22年10月期有価証券報告書に係る課徴金の額は 3,000,000円 
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-  (6) 金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成23年4月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(135,449円) 
 が - (ii) 6,000,000円 
 を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。 
-  (7) 旧金融商品取引法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、 - (i) 平成19年3月13日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 - 9,600,000円×2/100=192,000円 - について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、190,000円 
-  (ii) 平成20年1月10日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 195,195,000円×2/100=3,903,900円 について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、3,900,000円 
-  (iii) 平成20年4月15日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 120,000,000円×2/100=2,400,000円 
 となる。 
-  (8) 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、 平成21年10月20日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 360,960,000円×4.5/100=16,243,200円 について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、16,240,000円 となる。 
 
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   (別添)株式会社京王ズホールディングスの有価証券報告書等の虚偽記載内容 番号 開示書類 虚偽記載 提出日 書類 会計期間 財務計算に 
 関する書類内容(注) 事由 1 平成19年 
 1月31日第14期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成18年10月期有価証券報告書) 平成17年11月1日~平成18年10月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が▲2,386百万円であるところを▲2,288百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の不計上 
 等2 平成20年 
 1月30日第15期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成19年10月期有価証券報告書) 平成18年11月1日~平成19年10月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結経常損益が▲191百万円であるところを89百万円と記載 
 連結当期純損益が▲1,097百万円であるところを▲874百万円と記載・売上の過大計上 
 等連結 
 貸借対照表連結純資産額が468百万円であるところを760百万円と記載 3 平成21年 
 1月27日第16期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成20年10月期有価証券報告書) 平成19年11月1日~平成20年10月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結経常損益が▲20百万円であるところを102百万円と記載 
 連結当期純損益が11百万円であるところを80百万円と記載・貸倒引当金の過少計上 
 等連結 
 貸借対照表連結純資産額が824百万円であるところを1,207百万円と記載 4 平成21年 
 3月13日第17期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年1月第1四半期四半期報告書) 平成20年11月1日~平成21年1月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が869百万円であるところを1,263百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上 
 等5 平成21年 
 6月12日第17期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年4月第2四半期四半期報告書) 平成20年11月1日~平成21年4月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結 
 損益計算書連結四半期純損益が107百万円であるところを145百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上 
 等平成21年2月1日~平成21年4月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が961百万円であるところを1,379百万円と記載 6 平成21年 
 9月14日第17期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年7月第3四半期四半期報告書) 平成21年5月1日~平成21年7月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,204百万円であるところを1,551百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上 
 等7 平成22年 
 3月15日第18期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年1月第1四半期四半期報告書) 平成21年11月1日~平成22年1月31日の第1四半期連結累計期間 四半期連結 
 損益計算書連結四半期純損益が47百万円であるところを111百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の不計上 
 等8 平成22年 
 9月14日第18期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年7月第3四半期四半期報告書) 平成21年11月1日~平成22年7月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結 
 損益計算書連結四半期純損益が264百万円であるところを334百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の不計上 
 等9 平成23年 
 1月28日第18期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成22年10月期有価証券報告書) 平成21年11月1日~平成22年10月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が416百万円であるところを507百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の不計上 
 ・売上の過大計上
 等10 平成23年 
 6月14日第19期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年4月第2四半期四半期報告書) 平成22年11月1日~平成23年4月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結 
 損益計算書連結四半期純損益が281百万円であるところを346百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の不計上 
 等(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損益計算書では損失であることを、貸借対照表では債務超過であることを示す。 


